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羽田浩二 在比日本大使 ご挨拶

日本大使挨拶

ポテンシャルの高いフィリピンにおける日本の製造業

皆さんはフィリピンについてどのような印象をお持ちでしょうか?もしかしたら危険で,汚職の横行する途上国といった印象をお持ちかもしれません。もし,そうであれば是非今のフィリピンをよく知っていただきたいと思います。

新型コロナ危機の直前まで,フィリピンは,年約6〜7%の経済成長を続け,海外への出稼ぎ労働者からの豊富な送金や台頭してきている中間層による活発な消費に支えられて,経済は大変堅調でした。その成長のポテンシャルは今も変わっていません。また,人口もすでに1億人を超え,今後も人口ボーナスが続くことが見込まれており,さらに,強いリーダーシップを発揮しているドゥテルテ大統領により治安は劇的に改善しており,前述のような印象は過去のものになっています。また,親日的で日本への信頼度という点でもASEAN諸国の中で随一と言えます。これから製造業に焦点を当てた,その具体的な魅力についてご紹介します。

 

 

1. 安価で豊富な労働力、少ない労働争議
フィリピンは,日本の半分の24歳という平均年齢を誇り若者が大変多い国です。そして,フィリピン人は,その多くが,なまりの少ない英語を話し,ホスピタリティ高く,大変明るい性格の持ち主です。多国籍企業の多くのコールセンターがフィリピンに設けられておりますが,これは相手の言うことを我慢強く聞き取ってくれ,親切に説明できるフィリピン人だからこそです。その上で,労働者の賃金上昇圧力はインドネシアやベトナムより低く,労働争議も少なく,製造業にとって大変魅力的です。私も多くの工場や現場を見てまいりましたが,単純作業やこまかい緻密な作業であっても根気強く黙々と行い,笑顔で挨拶をしてくるフィリピン人労働者を数多く見てきました。

2. 信頼の厚い日本企業、そして、EPA(経済連携協定)のバックアップ
フィリピンにはすでに約1,500社の日本企業が進出しておりますが,その大半は製造業です。日本の製造業は巨額の投資を行い工場や装置を設置し,雇用を生み,技術移転を進めながら,フィリピンにおけるものづくりをリードしています。また,日本とフィリピンの間にはEPA(経済連携協定)があり,投資や貿易を下支えしています。日本はフィリピンに対するナンバーワン・インベスターであり,貿易量も常に上位です。この長年の貢献実績から,日本企業はフィリピン企業からビジネスパートナーとして,また,コンプライアンス意識も非常に高いことからフィリピン行政府からも厚い信頼を受けています。

さらに,フィリピンは日本との間だけでなく,中国,韓国,インド,豪州,ASEAN諸国との間にも同様にFTA(自由貿易協定)があります。また,フィリピンは米国やEU諸国との間でGSP(特恵関税制度)があることから,世界の巨大市場に対してゼロ又は低関税で製品を輸出することが可能です。

3. 製造業の心強い味方 ーPEZA(フィリピン経済特区庁)ー

フィリピンに限らずどこの国でも,行政機関との間の諸手続きはビジネスを行うために必要ではありますが,しばしば時間がかかったり,不透明であったりといったケースがあろうかと思います。ここフィリピンでは,政府機関の一つであるPEZA(Philippines Economic Zone Authority)が行政手続きをワンストップで代行してくれます。また,日々のビジネスにおける諸問題も真摯に相談にのってくれます。PEZAはNo Red Tape(官僚主義的でない)で24時間365日のサービス提供をモットーにしており,実際にそのとおりに実行してくれています。PEZAが発足した1998年以降,20年以上にわたり約1,500社の日本企業のうち実に900社を超える企業がこのPEZAとともに日々ビジネスを行っております。

4. 汚職を許さない大統領
ドゥテルテ大統領は時に自由奔放な言動をとると思われがちですが,実際は強力なリーダーシップを発揮し,治安の改善,貧困・汚職の撲滅,経済発展に真剣に取り組んでいるリーダーです。大統領就任以降,治安は劇的に改善し,貧困率も減少,そして,何よりも汚職に対して非常に厳しいスタンスをとっています。大統領に会うたびごとに,「自分は絶対に汚職を許さない,汚職があれば即座に自分に教えてほしい」と言われます。そして,口だけではなく実際に,警察のトップを更迭するなど有言実行の国家運営を徹底しています。

 

 

このように,豊富かつ有望な人材,投資・貿易・ビジネス支援制度,強力なリーダーシップによって,現在のフィリピンは昔の印象を払拭しており,将来有望な国といえます。新型コロナ危機が契機となって,企業のサプライチェーンの再構築が進む中で,フィリピンを含む各国が生産拠点獲得競争をしています。そのような中で,ぜひ,このポテンシャルの高いフィリピンに目を向けていただき,日本やフィリピン,そして,世界に貢献できる製造業ビジネスをご検討ください。日本大使館としてもしっかりでサポートさせていただきます。

 


フィリピン共和国駐箚特命全権大使 羽田 浩二

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